平凡社新書 定価: 本体960円 (税別)
「ヌード」は写真における永遠のテーマです。しかし、美しい裸体を撮れば、美しい作品になるわけではありません。光をどうやって捉えるのか、どんなポーズで撮影するのか、どのように写真を選び、どう組み合わせるのかなどが、とても大切になってきます。
そして、何よりも必要なのが、モデルとのコミュニケーションです。リラックスと適度な緊張から生み出される完成度の高い作品を導くために、欠かせないことなのです。
「ヌード」を撮ることは、「恋愛」と似ています。相手を尊敬し、尊重して接することがとても重要なことです。撮影の進行は、すぐヌードを撮るのではなく、まずポートレイトを撮りましょう。あなたという「ひと」を撮りたい、という意思を示すことが大切です。すぐベッドに誘ったりしてはいけないのです。
「ヌードフォト」を40年間撮り続けてきたハナブサ・リュウが、7つのレッスンで説き明かす、「光」と「対話」の実践的写真術。計130余点の写真 (カラー写真あり) を掲載。全248ページ。
[目次から]
レッスン1 ヌードフォトの魅力
肉体の美しさを撮る―――ヌードフォトとは何か
私の「ヌードフォト」への思い
西洋美術のなかの「ヌード」
レッスン2 まず「ひと」を撮る
「ひと」を撮ることの大切さ
ヌードフォトに必要な技術
作品に必要な「緊張」と「感情」
レッスン3 撮影のまえに必要なこと
どうやってモデルを見つけるか
カメラ機材と撮影アクセサリーをどうするか
レッスン4 いよいよ「ヌードフォト」を撮る
自然光を使いこなす
光をコントロールする技術
どうやってポーズをつけるか
レッスン5 さらに美しい「ヌードフォト」を撮る
光をさらに使いこなす
ディテールを研究する
動きの中の美しさを逃がさない
レッスン6 「ヌードフォト」作品をつくる
写真を選ぶ、写真を組む
テーマを決める、イメージをつくる
レッスン7 すぐれた「作品」から学ぶ
見たものを、自分の人格で表現する
素晴らしい写真家たちの「作品」
[キーワード]
「ヌード」の歴史。「ヌードフォト」の歴史。コミュニケーションで写真が変わる。
「ひと」と向かい合う。 ピントはどこに合わすか。撮りたい「ひと」を撮る。
まず、身近なひとから。「ポートレイト」から「ヌードフォト」へ。
無理のない撮影場所選び。カメラ機材と撮影アクセサリー。
カメラとレンズの選び方。光を読みとる。デジタルカメラの使い方。
露出の計り方。ピントはどこに合わせるか? 効果的なレフ板の使い方。「光と影」。
暗い部屋ではどうするか。地明かりをうまく使う。モデルの自然な「しぐさ」。
一灯ライティングのすすめ。フェルメールの絵画から。レンブラントの光。
フォルムの美しさを見つける。「ヌードフォト」のシャッターチャンス。
後ろ姿を撮る。カガミを使って撮る。小道具を上手に使う。スタジオで撮る。
自然の中で撮る。「からだ」と対峙した作品。この一枚を選ぶには。
モノクロームで作品をつくる。組写真のすすめ。単焦点レンズで部分を撮る。
複数のモデルでドラマをつくる。妊婦を撮る。クレージーホースのショーを撮る。
ボンデージへの挑戦。ポーズ集を見てはいけない。
マン・レイ。ロバート・メープルソープ。ジャック=アンリ・ラルテーグ。
ヘルムート・ニュートン。ジャン=ルー・シーフ。etc.....